アメカジに挑戦する方が増えています。そんな中、アメカジ仲間やショップ店員さんたちが話す、アメカジ好きにしかわからないファッション用語で困ったことはありませんか?ここでは基本的なアメカジ用語である「シンチバック」について解説します。
シンチバックとは
シンチバックとはデニムのベルト。バックシンチ、シンチバックルとも呼ばれています。 日本語では“尾錠”とも呼ばれています。
ベルトが普及していなかった1940年代までのジーンズにはバックシンチがつき、ジーンズのウエストを諦めるために使われました。調節するバンドであることからアジャスターストラップなどともいわれます。サスペンダー用のボタンと並び、クラシックなワークパンツのデティールになります。
現在では、ウエストのフィット性の有無には関係なく、クラシックなデザインとして採用されています。
シンチバック付きのジーンズにベルトは?
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現在では、ベルトが普及されているためシンチバックが付いたジーンズでもベルトを通して履いている方がほとんど。また現代のモデルはベルトが通しやすいようにシンチバックがやや下についています。
もちろん中には当時のようにベルトループ付近についているモデルもあります。
このモデルをベルトで着用する場合は、シンチバックの通し方に注意すればよいでしょう。
シンチバックの通し方
シンチバックの通し方は何通りかあるのですが、まずは調整しやすい通し方です。
上図のようにシンチバックのベルトを金具に通したあと、矢印の部分にベルトを通します。
この通し方は履いたままでもシンチバックの調整が簡単なメリットがあります。しかし、ベルト生地の裏側が表に見えるというデメリットがあります。
一般的なシンチバックの通し方
最も一般的な通し方がこちら。ベルトの先端を上図のようにシンチバックの金具に通します。
次に矢印へベルトの先端を通します。
通しずらい場合は、反対側のベルト生地を引っ張り、金具の隙間を広げましょう。
生地の表側が見えるので、見た目にもよい通し方です。しかし履いたままでの調整が難しいので、注意が必要です。
ベルトと併用する場合
シンチバックとベルトを併用して使う場合は、まずシンチバックのベルトをベルトループに通します。
そのあとは先ほどの通し方と同じです。
ベルトループの下にシンチバックがあるので、ベルトも併用可能です。
シンチバックは危険?
本来シンチバックの金具は針のようにとがっており、生地に刺して使っていたようです。ですがこの金具がソファの生地を傷つけたり、洗濯をするとほかの衣類を傷つけたりと評判が良くなかったのも事実。
現代のレプリカモデルの多くは怪我しにくいよう、先端の尖った金具は使用していませんが、レザーソファーに座る場合や、洗濯の際ほかの衣類を傷つける可能性はあるので注意が必要です。
あえてシンチバックをカット
クラシックなワークパンツのデティールであるシンチバックですが、上記の理由から邪魔になると思われる方も。大胆にシンチバックをカットしても良いでしょう。
事実、シンチバックがカットされているヴィンテージパンツも多く発見されています。
おすすめシンチバック付ワークパンツ:1
LEVI’S VINTAGE CLOTHING 501XX 1937年モデル 501XX ジーンズです。 1937年の501ジーンズには従来通りシンチバックが付けられていましたが、ウエストバンドのサスペンダーボタンは取り除かれました。 こちらは当時愛されたフィット、生地、ディティールを、その時代がもつカルチャーとともに丁寧に復刻したアイテムです。
おすすめシンチバック付ワークパンツ:2
90年代に1937年代復刻モデルとして販売された702XXです。リーバイスジャパンがヴィンテージパンツの人気をうけ生産しました。この後LVC(リーバイスヴィンテージコレクション)がラインナップされます。またS702XXと異なり、シンチバックがやや下についているので、ベルトと併用する際干渉しないのが嬉しいですね。
おすすめシンチバック付ワークパンツ:3
同じく90年代、リーバイスジャパンによって復刻された1910年代モデルです。このモデルが発表されたのは当時日本で最古のリーバイスが見つかり、その記念として生産されました。サスペンダーボタン、シンチバック、そしてベルトループなし、むき出しリベットなどのデティールが忠実に再現されています。
おすすめシンチバック付ワークパンツ:4
1900年代初頭フランスの農夫たちが着用していたワイドトラウザーズをベースにした ルーズテーパードシルエットのワークパンツです。ベルトループとサスペンダーボタンが付いており、バックシンチをベルトループで押さえるという凝ったディテールになっ ています。素材に1800年代の生地見本から再現させたネップ入り撚り杢ツイルを使用したこのアイテムはヨーロッパのヴィンテージウエアを想わせる仕上がりです
おすすめシンチバック付ワークパンツ:5
バックストラップやポケット口の独特なステッチワークが特徴的なシュガーケーンのウォバッシュストライプ・ワークパンツ。1930年代のモデルをベースにしており、シルエットは若干太め。ウォバッシュストライプは、1910年~1920年代初期の生地にみられたもので、ネイビーの生地に抜染でドット柄をデザインしたクラシカルな素材です。
おすすめシンチバック付ワークパンツ:6
13.5オンス ヒッコリーデニム地を使用したヴィンテージ仕様のペインター ジーンズ です。 サスペンダー用ボタン、バックの調整バックル、ポタンフライ、三本針縫製など本格的なヴィンテージの作りにこわだったワークジーンズです。
おすすめシンチバック付ワークパンツ:7
TCB20'sは、まだサスペンダーや尾錠を縛って穿く事が主流だった時代に初めてベルトループが付けられた1922年のvintageを参考に作成したモデルです。生地はこのモデルの為だけに綿から別注したタテヨコ8番の12.5oz。染色もこの時代の特徴の青みの強いインディゴです。
おすすめシンチバック付ワークパンツ:8
ヴィンテージのフレンチワークパンツをベースにしたバーガスプラスの定番モデルが新たな生地でアップデート。シンチバックで絞って穿くことが前提の為、後ろの中心がV字型に割れているのも特徴のひとつ。フロントのボタンはボタンワークス社製のオリジナル。サスペンダーボタンはアンティーク調のメタルボタン。ヴィンテージを取り入れながらもモダナイズドしたパンツが多いバーガスプラスですが、ある意味一番『ヴィンテージ』を強く感じさせるパンツです。
おすすめシンチバック付ワークパンツ:9
凹凸の畝りある別注で製作したデニムの組織を変形させたピケ生地で再現しています。20-30sの雰囲気を漂わせるクラシックなトラウザーが出来上がりました。なんと言ってもアウトシームの無いつくりで、インシームだけで縫い合わした珍しい仕様。あえて、ベルトループを無くしサスペンダーボタンで吊るして履くという拘りのあるディテール。シルエットは股上深めで太ももはゆったりと裾にかけてテーパードをかけたつくりとなっております。
おすすめシンチバック付ワークパンツ:10
ワーキングパンツは1935年以降もスタイルに大きな変更もなく、1940年にM40ワーキングデニムパンツが採用されました。 42年にはグリーンのヘリンボーンツイルのワーキングパンツが採用され完全に旧式化していましたが、在庫分は全て支給され、戦闘任務を除き様々な任務で終戦まで20年以上に渡り使用されました。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
クラシックなワークパンツのデティールであるシンチバック。アメカジを語るうえで外せないデティールです。手間がかかったり、逆に現在だと迷惑と感じるデティールですが、歴史とロマンを感じさせてくれます。
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